大峽製鞄(オオバセイホウ)株式会社は1935年(昭和10年)の創業以来、91年にわたり鞄づくり一筋に歩んでまいりました。
最高級の革のみを選び抜く「素材」への厳格な姿勢、徹底した管理体制による「品質」への飽くなき探求、そして二本針手縫いをはじめとする伝統的「職人技」の継承と深化。
それらすべてが大峽製鞄の礎です。
創業の原点は学生鞄づくりにあります。
堅牢で機能美に優れた鞄を追求する中で培われた高度な技術と精神性は、やがて手縫いのアタッシェケース、ダレスバッグ、ビジネスバッグへと昇華していきました。
その確かな仕事は、特別な用途に応える製品にも託され、皇室にまつわる品の製作をはじめ、国内にとどまらず海外においても評価を重ねながら、各界の専門家や公的責任を担う人々、文化や創作に携わる人々にまで静かに広がってきました。流行や喧伝に依らず、本質を見極める人々に選ばれ続けている背景には、用の美を体現する一貫した思想があります
同時に、その精緻な技術は学生用品としてのランドセルへも発展し、日本独自の手縫い文化を確立するに至りました。ランドセルづくりは150を超えるパーツ、300以上に及ぶ工程、それらを一つひとつ丁寧に積み重ねる手仕事は、単なる製造工程ではなく、思想を形にする行為にほかなりません。
長年にわたり“本物の鞄”を探求し続ける中で、文部大臣賞連続7回をはじめ、通産大臣賞、東京都知事賞11回、経済産業大臣賞など、数々の栄誉に浴してまいりました。
しかし、私たちが何より重んじるのは賞歴ではなく、時を超えて使い続けられる価値そのものです。
「良いものを大切に使えば永く持つ」という信念のもと、日本製を貫き、手仕事ならではの静謐な美しさを宿す革製品を世に送り続けています。
大峽製鞄株式会社には、鞄製造における約束ごとが有ります。
1, 超一級の素材を使う
超一級の素材とは、使用する程味わいが深くなる素材のこと。
出来立てが一番良く見栄えのするもの、時間経過とともに品質劣化が進む素材では持つ人にとっての充足感は薄れていきます。
私たちの取り扱う革は、経年変化をゆっくりと愉しむことのできるもの、
変わらぬ美しい表情を永く残すものと、用途に応じて使う程に味わいが増し、愛着が湧いて行きます。
2, シンプルなデザインを採用する
シンプルなデザインとは厳選された必要な部分のみ取り付けて、出来る限り無駄を省いたスタイルのことを指します。
最も革味を尊重し、ハンドワークの良さを生かすには、おのずと行き着く型があります。
そして華美な装飾をせずとも製品としてのバランス、絶妙なプロポーションが取れており、それが当社の定番となっていきます。
3, 丁寧な仕事をする
丁寧な仕事とは、基本的にハンドワークと言う事です。
天然の革にはそれぞれ「目」があり、ともすれば、「目」に沿って曲がり、反り返り、目の間は伸び縮みします。
一枚一枚、性質の違う革の目を読み、曲がりに沿って鞄のシェイプを創るには、研ぎ澄まされた指先で調整できるハンドワークしか有りません。
職人の手仕事を大切にする訳はここにあります。
