
英国・デヴォンで、18世紀のロシアンレザーを現代に再現したロシアンカーフ。
沈没船メッタ・カタリーナ号から引き揚げられた当時の革を手掛かりに、失われた鞣しの技法と素材の構成をひもとき、六年に及ぶ試行を重ねてその姿を現代に蘇らせた皮革です。
仔牛の原皮を、オーク、ヤナギ、白樺の樹皮によってじっくりと鞣し、白樺油を含む天然油脂で仕上げる。
時間をかけて革の繊維を保ちながら仕立てることで、しっかりとした張りと耐久性を備えながら、しなやかさを併せ持つ独特の質感が生まれます。
表面には、ロシアンレザーを象徴するクロスハッチが刻まれます。
規則正しく連なる菱形の凹凸が光を受けるたびに陰影を変え、深い色調に豊かな奥行きを与える。
その佇まいは、平滑な革にはない静かな存在感を湛えています。
白樺油による特徴的な香り、深みを帯びた色彩、密度のある手触り。
そして使い込むほどに馴染み、艶を深めていく表情。
かつてヨーロッパで珍重された革の姿を、英国に残る樹皮鞣しの技と現代の職人の手によって再構築した、極めて趣の深い皮革です。